【感想】諦める力 為末大さん
- 作者: 為末大
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2013/05/30
- メディア: 単行本
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第一線で活躍するアスリートは
どのような思考回路をもっているのだろう。
そう思って、本書を手に取った。
この本の中では、ノ ーベル生理学 ・医学賞を受賞した 、京都大学 i P S細胞研究所所長の山中伸弥さんの例で説明されている。
▽本文引用
山中さんは整形外科医になることを志し 、国立大阪病院整形外科で研修医として働き始めた 。ところが 、ほかの研修医が二〇分で終わらせられるような簡単な手術に 、二時間もかかった。
自分は整形外科医に向いていない 。整形外科医を続けるには決定的に何かが欠けている 。
山中さんには 、整形外科医になるという目的ではなく 、病気に苦しんでいる患者さんを治したいという使命感があった 。だから 、自分が整形外科医に向いていないと感じ取った時点で 、目的に到達するための別のアプロ ーチを模索されたのだろう 。
わたしも一時期、会計士という資格試験を目指していたので、
諦めたくない気持ちは痛いほど分かる。勉強して受からなければ、自分の努力不足だし、何度も繰り返しやれば
いつかは必ず受かるはずだ、と思っていた。
けれど、勉強が進むにつれて、私はこの仕事は向いていないんじゃないか、と心のどこかで感じていた。
だから、この部分が気になったのだ。
諦めるのは、あくまで医師という1つの手段であり、医師として果たしたかった夢自体は、別の手段で達成できるかもしれないのだ。
手段はたくさんあるから、
自分の能力に応じて、目的へのアプローチを考えればいいのである。
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じゃあ、どうやって
目的・目標を模索したらいいのか。
▽本文引用
ただ 、自分の憧れる存在が本当に自分の延長線上にいるかどうかということを 、しっかりと見極めるのは非常に大事なことになってくる 。自分とはまったく接点のない人に憧れて 、自分の短所を埋めているつもりが長所ごと削り取っている人はかなりの数に上ると思う。
これこれ、
よくやってしまう。
取りこぼしのない欲張りな人生を
送りたいと思うと、
自分が持っていないもの全てが欲しくなる。
けれど、それによって生まれ持った長所が何なのか分からなくなる。
あくまでも、自分の延長線上にいるかどうかで探すことが大事なのだ。
時間は有限。
やることのスピードを上げるのも限界がある。
ならば、やらないことを増やせばよい。そして、やりたいことだけを丁寧にじっくりやればよい。
理屈で考えると、単純なことだが
これを常に頭の片隅に置き、行動するのは難しいことだ。