【感想】世界から猫が消えたなら 川村元気さん
- 作者: 川村元気
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/09/18
- メディア: 文庫
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自分がいつ死ぬか分かればいいな、とおもってたけど、
いつ死ぬか分かったところで
生き方ってどう変わるんだろうか。
と、考えらせられた本だった。
終わりが決まってることで
何がどのように変わるんだろう。
辛いことに耐え続けないといけない環境なら、終わりが決まってることで精神的に楽になれる。
じゃあ、楽しく過ごしてる人にとってはどうなのか。必要ないと思う。
ただ、毎日楽しく生きている人でも、自分の人生が終わる時に、「あ、これしておけば良かったな」と思うことがある。
それは、何かをすることではなく、
【自分にとって大切なもの(存在)に気付く】、ことだ。
大切なものは身近なものが多い。
例えば、家族、恋人、友人、ペット、家、音楽、食べ物
それらは、【苦労して手に入れたもの】ではなく【当たり前に存在しているもの】だ。
それ故に、大切さ・有り難みに気付けなくなってくる。
余命を告げられた主人公は、
残りの時間に何をしたいのか考える。
疎遠になっていた家族にもう一度会って話がしたい、昔ひょんなことで別れることになってしまったけれど忘れられない彼女に会ってなぜ別れたのか聞きたい、など。
そう、後悔をしない生き方とは、
自分にとって、大切なものや人に気付くこと。そして、その人に「ありがとう」「こういう所が好きだよ」とちゃんと伝えること。
非日常的など小説でありながら、とても身近で大切なことを教えてくれた小説でした。